1. はじめに
今回7/13(土)に吉祥寺にある武蔵野公会堂で「大吉祥寺.pm」に参加してきました。
- 吉祥寺.pmとは
吉祥寺.pmは、当初Perlのイベントとして始まりましたが、次第に参加者の多様性が広がり、プログラミング言語や、データベース、設計方法論、キャリア、勉強会開催方法など、Perlに限らず、「それぞれが発表したいことを自由に発表できる場」に変わっていきました。発表枠は毎回必ず全て埋まり、常に新しい人が参加し続け、毎回全く違う発表が行われる、数あるテック系勉強会の中でもユニークなイベントになっていると言えます。
実際私は、吉祥寺.pmには参加したことがなく、初めての参加がこの大吉祥寺.pmでした。タイトルにもあるとおり、ためになるなという話が万歳だったので、全セッション紹介したいと思い執筆しました。
2. プログラム
i. 基調講演
大西康裕さん
X:@yasuhiro_onishi
はてなの元エンジニア、現組織・基盤開発本部長として今まで経験された歴史を吉祥寺.pm10thの歴史とともに紹介されていました。また唯一perlのお話をされていました。特に歴史の黒い部分をフォーカスして発表されていました。
特に印象的だったのは、赤毛のアンの一節。
人生の曲がり角に行って曲がってみて新しい景色を見てみることも大事であるということを自分の人生の節目をもとに語られていました。
まだ、自分の人生は20数年しか生きていないので、こういった先人の経験談はまだ完全には理解できないかもしれないが、そのような視座を持ちながら日々成長していきたいと思いました。
黒歴史
それも含めて
今の自分
ii. 多様性の時代を生き抜くキャリアプラニング
米久保 剛さん
X:@tyonekubo
SIer勤務のアーキテクト。今回は、1on1でのよくある悩みについての発表でした。昔は、分岐の少ない決まったキャリアイメージがあったが、多様化し、イメージを描けなくなっていることから中長期的なキャリアプランが見えにくくなってしまっている課題を挙げられていました。そこでゴールデンサークルという考え方を取り入れ、Why, How, Whatから自分がどのようにしていきたいのかという自己分析を深めていく方法を紹介しています。
一番印象的だったことは、「プレゼンス」を発揮することが重要だということです。プレゼンスの発揮について資料では、
周囲から一目置かれること
素晴らしい技術力や成果を埋もれさせないことでいい意味で目立つ
というように定義していました。勉強会など積極的に参加して、社内や社外へのアプローチを増やし、多様な話に触れて視野を広げることが大事であるということでした。今自分がやっていることもプレゼンスを発揮していることの一つかなと思い、今後の就活や就職後の1on1などでも自分のキャリアプランについてのイメージを持てるようさまざまな知見を吸収していきたいと思いました。
吉祥寺
あなたらしさを
探す夏
iii. 開発部に不満を持っていたCSがエンジニアにジョブチェンしてわかった「勝手に諦めない」ことの大切さ
さくらいさん
X:@saku_rye
先日開催されたPHPConference 小田原でスタッフをやられている姿をお見かけした方で、初登壇で吉祥寺.pmに参加されていました。CS(カスタマーサポート)部で元々働いていたが、なかなか顧客の要望などを開発部が実装までが遅いなどの不満から開発部に移動し、両者の視点からこの問題について考察されていました。
このセッションから、エンジニアの結論とCSの結論が違うことや普段の会話から相手の欲しい情報にピンポイントに回答できているのかということを考えさせられる内容でした。エンジニアだからこそではなく、全員が共通して持つ本質的なコミュニケーションの内容について触れていたので、大学や知り合いにも共有していきたいなと思いました。
コミットと
言葉を重ね
未来を描く
iv. 君たちはどうコードをレビューする (される) か
うたがわききさん
X:@utgwkk
株式会社はてなのWebアプリケーションエンジニアとして、コードレビューについての今のスナップショットを発表していただきました。コードレビューは、ざっくりまとめると
- コードの品質を保つため
- 知見を共有するため
の2点が挙げられていました。
どのようにコードレビューをしていくべきかについていくつか挙げられていましたが、特に認識を揃えるという部分が印象的でした。認識を揃えられていないとPRが悲惨なことになったり、最初からやり直すことになります。かくいう私も先日同じようなことがありました。そこで、お互いにイメージの認識をとりあうため、いろいろなツールを使っていく必要があります。特にPRはテキストメッセージやコードで認識を取ろうとしますが、図や表に落とし込む、会話するといったあらゆる手段で目線を合わせることが重要だと感じました。
高校の数学の授業を思い出して見ると、数式だけではなく、図を書いたり、他の人と話し合って問題を解いていた経験があり、いつの間にかコード書く時には忘れていたなと気づきました。
良いものを
みんなで作る
コードレビュー
v. 組織のスケーリングと持続性
常松祐一さん
X:@tunepolo
Retty株式会社でVPoEを務めていらっしゃいます。VPoEならではの視点として、組織のスケーリングについて登壇されていました。組織のスケーリングを変化させる施策は以下のようなものが挙げられます。
- スケールアウト : エンジニア数を増やし、開発力低下を補う
- スケールアップ : 一人一人の開発力を高める
- 外注
- 増やさない
スケーリングに伴い起こる問題として、結果が振るわずに終わってしまう可能性があることです。
人を増やせば、開発力が高まり、売り上げ・利益が見込めるという前提のもとで実施していると、プロダクトの価値がユーザの体験や売り上げに直接的に効果がない可能性があります。さらに、利益に紐づかないスケーリングは逆回転が発生してしまうこともあります。
今後のチームでの協働する際は、闇雲にスケールアウトすることではなく、実態に即したスケーリングの方法を取捨選択する必要があると気づきました。
事業への
理解を深め
助け合う
吉祥寺ランチ
@tomio2480さんがご紹介してくださった蕎麦屋さんに行きました!
1件目:吉祥寺やぶ
ここでは、天ぷら盛り合わせと鴨せいろをいただきました。ビールとめちゃめちゃ合いそうな鴨の一品料理も併せて注文し、堪能しました。サーモンの天ぷらという少し変わった料理もあり、次回注文して食べてみたいと思いました。
2件目:Capoon 抹茶製造所
男4人でゾロゾロと入ると浮いてしまうようなおしゃれで落ち着いた店内でした。注文した商品は、抹茶ラテとチーズケーキです。この濃い緑の抹茶ムースがチーズケーキの甘さと絡み、濃厚でとろけるような食感を堪能することができました。
他にも吉祥寺にはたくさんのおいしいお店がたくさんあり、午前ラストの登壇者の常松さんがRettyでの評価をもとに吉祥寺の美味しいランチについてまとめてくださっていました。
ということで楽しい吉祥寺ランチのため、午後最初のセッションを聞けませんでした...
「Linuxコンテナの歴史を追うとコンテナの仕組みがわかる」は資料が上がっていましたので、掲載させていただきます。
vi. Linuxコンテナの歴史を追うとコンテナの仕組みがわかる
TenForwardさん
X:@ten_forward
vii. デジタルデザインのこれまでとこれから
yumemiさん
X:@n__yumemi
ということで資料は掲載されていないませんでした。
iix. 僕のキャリアとワインと鍋
すてぃおさん
X:@suthio_
本業ソフトウェアエンジニア、趣味飲食店経営のすてぃおさん
エンジニアだからビジネスはわからないよねという漠然としたイメージがあるということで自己資金で店を開業しました。長く続けることを重視し、自身の報酬を0で運営しているそうです。
この飲食店経営はエンジニアリングと本質的に一緒であるということに驚きました。ユースケースを明確にすることやチームでの状況共有、透明化などソフトウェアエンジニアで培ったものが生きているということです。
このセッションを通じて身近な生活についてエンジニアリングと本質的に同じものがないかどうか、逆にエンジニアリングに導入できることはないか探してみたくなりました。
改善の
サイクルループ
同じこと
ix. ドメインモデリングの現在地点
kawasimaさん
X:@kawasima
ドメインモデルについて、まとめていました。
ドメインモデルとは、
システムに関わるさまざまな実体とそれらの関係を説明するシステムの概念モデルである。
1ウィキペディア
ドメイン知識を体系化する際のモデルの作り方について詳しく解説していただきました。正直自分自身は世の中にサービスを提供した経験がないため、ドメインモデルを自分で作成することはなかったです。しかし、今後サービスや機能、機械学習システムなどを組み込んでいくためにも必要としているユーザはなんなのか、システムの設計はどのようにしていくべきなのかという観点をもつ必要があると思いました。
本セッションでは、ドメインモデルは本質的な部分と偶有的な部分が混乱してしまい、モデリングしても複雑になってしまうという問題点を指摘していました。この本質的な部分の重要な観点が「Unkown Unkowns」(分からないことが分からない)というものが挙げられていました。複雑さは、コンポーネント間のインタラクションから生み出されるため、コンポーネントが増えると認知負荷が高まり、分からなくなります。
では実際にどのようにしていくべきかについてはまだ自分の理解が及んでいないため、ぜひ公開されている資料をご覧ください。
まとめとして、データだけを眺めるだけでは本質的な複雑さは理解できない場合があるため、振る舞いをを考え、正規化や適切な抽象が見えてくるということが述べられていました。
LT
スポンサーLT:小さな会社を作った理由
パーティーハード株式会社さん
polidogさん
X:@polidog
@polidogさんが体調不良のため、はじめんぼうさんが登壇されました。
38年続く会社を作りたいという思いから企業したそうです。
企業前にお父様の会社を引き継いだが、37年でたたむことになったそうです。
その悔しさから38年という目標が生まれたそうです。ここから、31年続けるために
- 製品を作って稼ぐ
- 作ることが好きな仲間を集める
という2本の柱を軸に経営を行っているそうです。
開発は
パーティーハードに
よろしくね
集中して作業する技術
hanhan1978さんさん
X:@hanhan1978
株式会社カオナビ CTO室の富所 亮さん
運動と睡眠が大事という前提で、いかに集中するにはどのようなことが必要なのかを発表していました。
主観による集中の判断はせずに
推測するな、計測せよのフレーズの下、計測していました。
計測結果として、自分の限界や集中と体調の関連があることを定量的に説明されていました。
個人的には、前日まで睡眠時間を削って色々なことをしてしまい、体調を崩していました。このセッションから、睡眠を毛づったことで集中できずに生産性が落ちたままになっていなかっただろうか、と振り返ることができました。
一日ではできないので、継続して集中する技術を身につけていきたいと思います。
端末に
集中とられて
デスマーチ
ノート PC に Linux 入れてみたけど結構良かった
がらさん
X:@contour_gara
仕事ではJava、業務外はKotlinで開発を行っています。
仕事ではMacを使用していますが、
- トラックパッド
- ディスプレイ
- 質感
が素晴らしいですが、
- ゲームできない
- 重い
といった不満もあると言います。
そこでラップトップLinuxを導入することで、
- 開発で困らない
- Docker Desktop入れる必要ない
- デバイスの選択肢が豊富
- メモリなどいじれる
ということができるようになるそうです。
自分も最近Mac Bookを購入し使用していますが、このセッションで次はLinuxを試してみたいなと思いました。
好きなOS
好きなデバイスで
楽しもう
コミュニケーションを「パス」のやりとりと捉え大切にしていること
大橋 佑太さん
X:@blue_goheimochi
結論としては状況を把握すること
サッカーの話題を交えて、互いに認識を合わせることをお話しされていました。
コミュニケーションをとることは、サッカーパスをすることと同じように考えられます。パスをする際に味方はどこにいるのか、味方はどんなプレーをしたいのかを考えるには、状況把握を把握する必要があります。
自分自身、サッカー完成を趣味にしているのでこの例えが非常にわかりやすかったです。スポーツもエンジニアリングも一つのチームとして、お互いのコミュニケーションの質が高まるとよりスムーズな連携が取れると思いました。
首振りと
声かけで上がる
「パス」の質
エンジニアリングじゃないエンジニアのお仕事
ただあきさん
X:@tdakak
開発以外についての話で採用、広報、教育などの業務についてお話しされていました。
例えば、採用活動の一つとして、スカウトメールを送ることがあります。一緒に働きたい人を探すためにも自分がもらって嬉しい文章を送り届けられるかということが重要になります。テンプレは受信者に刺さらないため、できる限りの知りうる情報から作り出す必要があります。
また、カジュアル面談を実施する流れになった際には、会社の良いところを知ってもらうことと相手の良いところを知ることを意識しているそうです。
広報活動としては、他社の人との交流や著名な方の講演会、社員の登壇や執筆の応援をすることで自社で抱えている人材をアピールし、認知や採用に繋げていくことを行っているそうです。
今私は就活生として様々な企業様とお話しする機会を設けていただいています。なかなか企業目線で考えることが難しいですが、スカウトメール一つとってもこういった意図で行っているのかということがわかりました。
色々な
仕事ができたら
楽しいな
あらゆる重大な選択の際に使えるアーキテクチャ思考
せやかて駆動さん
X:@Dt3nfVOwgom3KJX
「感情ベースで意思決定すると、後から後悔する」ということを自身の体験談を踏まえながら説明されていました。多角形評価を導入し、定性的評価を論理的に決定し、その結果が感情と一致するような選択をすることが後悔しない一つだそうです。
この発想は衝撃を受けました。定性的なものは定性として扱い、定量は定量として扱うものだと思っていました。定性をいかに定量的に可視化するかという中で今回の6角形のレーダチャートは見た目でもわかる非常に具体性の手法だなと思いました。
ぼっちを避けて楽しむためのアノテコノテ
成瀬 允宣さん
X:@nrslib
オフラインのカンファレンスが増える中で、ボッチ問題は避け難い課題です。そこで様々なボッチ回避術を紹介していました。
蝉の声
誘う午後かな
同僚を
友達、同僚など身近な人を誘うという意味だそうです。
名札てに
相手みせえみ
夏会議
コミュニケーションをとるにはまず名前から、
胸の位置にあるとより視界に入りやすくていいという声もいただきました。
朝顔の
色彩豊かと
ツイートす
カンファレンスのハッシュタグで呟き、フォロワーとの交流のきっかけにしていきましょう
童心の
在りし日を思ふ
印地打
運営の企画に全力で乗っかることで、声をかけられることも
輪の欠けは
人を誘う
ケルンかな
懇親会での隙間は入れる隙間
積極的に輪に入り、いろいろな話を聞こう
教えたもう
氷河を砕く
言の葉を
実際に登壇することでボッチを回避
汗光る
協力作業
笑みこぼれ
スタッフ参加はコミュニケーションを必然とするかつ、言い訳にしていろいろな人と話せるかも
滴りの
刹那切り取る
単眼の
カメラマンは最高のコミュニケーションツール
このセッションでは、怒涛の俳句ラッシュで厳選しようにも、私の中の夏井先生は全て掲載決定となってしまいました。どの句も自信がこの半年カンファレンスでボッチ回避してきた方法であり、初めての人にも積極的に話しかけにいったことだなと思いました。この資料は、今後カンファレンスに行きたいと思って二の足を踏んでいる周りの人に見せながら、カンファレンスを布教して行きたいと思っています。
花畠
残さず選んだ
我が花束
お疲れ様です。
大人の社会科見学~NTT技術史料館に行ってみよう!
hmatsu47(まつ)さん
X:@hmatsu47
資料館
尋ねて残そう
あとのよに
近年様々な博物館や資料館が閉館しています。
そこで今回はNTTの資料館に焦点をあて、魅力を紹介していただきました。
NTTだからこその通信の歴史や光ファイバーの特許などについて様々な展示がなされています。
印象的だった言葉として、「古い技術との掛け合わせで新しい技術が生まれる」とおっしゃっていました。閉館するということは古い技術についての知見が公開されなくなってしまい新しい技術を作ることが難しくなってしまうと思いました。今回を機に少し機になる展示がある博物館は意識的に訪れてみようと思いました。
Japan Perl association
peal技術の啓蒙、コミュニティの開催し、支援などを行っています。
今度の函館行きます!!
x. 僕はまだ見ぬ誰かを動かすために登壇をする。
ナカミチさん
X:@ici_mici
テックカンファレンスというコミュニティがあることに衝撃をうけ、特別な自分になりたいという欲望と共に登壇した歴史を紹介してくださいました。
この特別という感情は、自分の人生が間違っていないことを証明するために様々な機会で登壇してきました。
しかし、幸福になっていないということに気づきました。
ここから、「共同体の中で他者に貢献している実感が人に幸福にする」ということを導きました。
このセッションは大吉祥寺.pmのセッションの中で一番ジーンときたセッションでした。というのも、私学生室の住人(@live_in_2107)は、7/26,27に旭川で開催されるTechRamen2024に初めて登壇します。開催まで日数が少なる中で果たして自分のセッションを聞いてもらえるのかという不安に駆られていました。このセッションからの学びとして、一人でもこのセッションを聞いて新しい学びがあったなと思えてもらえればと思い、現在資料作成に励んでいます。自分も登壇して共同体への貢献から幸福になれるよう楽しんで行きたいと思います。
終わり お疲れ
とっとと酒を
飲みに行こう、夏
3. 終わりに
今回のテーマは、「いままでと、これから」ということでした。今まで参加してきたカンファレンスは割と技術に話がよっていましたが、エンジニアこそコミュニケーションが重要であることや今までの経験から得たものをこれからの人に繋ぐようなものが多く感動しました。先ほどでも触れましたが、7/26,27に開催されるTechRamenに初めて登壇するので、ここで得た知見ともとにこれから生かして行きたいと思います!!